地方公営企業会計【1円償却について】

<質問>

1円償却については
「帳簿原価の百分の五に相当する金額に達した事業年度の翌事業年度から使用不能となると認められる事業年度までの年数」について何百という資産ひとつひとつの年数を現場をみて設定するというのは、実際の運用上難しいと思います。
そこで、なにかしらの対策として分類分けで年数を設定するとか、一律5年とか、耐用年数の何割などの運用を行うにあたっての実用的対策が知りたかったのですが、やはり、規則には特にかかれていないので 無理ということでしょうか。日本公認会計士協会からの「減価償却に関する当面の監査上の取扱い」を参考に一律5年にしたいところなのですが、難しいのでしょうか。

 

<回答>

【企業会計】
企業会計では、平成19年税制改正に伴い、平成19年4月以降に取得するすべての償却資産について、1円まで償却できるようになりました。
残存簿価の5年均等償却につきましては、それに伴い、平成19年4月以前に取得されたものにつき、上記に対応させるため、認められたものです。

【地方公営企業法施行】
①これに対し、地方公営企業法施行規則では、すべての償却資産について、1円まで償却が認められておらず、容認されている資産は、以下に限定されております。

(容認されている資産)
1円償却が容認されている資産は、以下のような資産に限定があり、さらに、事業の用に供していることが必要となります。
・鉄骨鉄筋コンクリート造、鉄筋コンクリート造、れんが造、石造及びブロツク造の建物
・鉄骨鉄筋コンクリート造、鉄筋コンクリート造、コンクリート造、れんが造、石造及び土造の構築物及び装置

これらにつきまして、車両や備品などと異なり、数はそれほど多くなく、金額も僅少ではなく、固定資産管理上も重要な資産であると考えられます。
したがいまして、それぞれについて、使用可能年数を算定する必要があるかと思います。

対象資産が限定されている規定であることを重視しますと、
たとえば、50年経過している建物について、建て替え計画などを考慮して、残りの使用可能年数を見積もりするなどの対処を求められていると考えられます。
また、「1円償却の規定」につきましては、容認規定となっておりますので、必ずしも1円償却をしなければならないものではありません。

(容認されていない資産)
上記容認されている資産以外の資産につきましては、現状の「地方公営企業法施行」では、1円までの償却が認められておりません。
ただし、今後改訂される可能性はありますが。

②また、償却方法につきましても、
企業会計では、平成19年4月以降に取得したものにつきましては、1円まで一気に償却が可能ですが、地方公営企業法施行規則では、いったん5%まで償却したところで、さらに、残存簿価について、使用可能年数まで償却する規定となっております。

以上を踏まえますと、企業会計の規定を利用するより、地方公営企業法施行規則に従った会計処理を行うことが適切であると考えられます。

地方公営企業の実態を把握したうえで、会計ルールを当てはめていく必要があるかと思います。

1円償却の規定は、容認規定であって、強制規定ではないため、地方公営企業の意向も踏まえ、償却の有無を考える必要もあるかと思います。
鉄筋の建物など、金額が高額であれば、取得価額の5%相当額もある程度の金額が発生しますが、あえて、建物を除却するまで、他の資産と同様に、5%相当額を計上しておくことも可能です。

osaka

 

 

幼稚園監査

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